単なる感想を書いた日記。 住んでしばらく経つと当たり前になってしまうので、新鮮な気持ちでいられる今のうちに吐き出している。
- はじめに
- 前提
- ドバイの特徴
- トイレが綺麗
- シャワートイレ完備
- UAEの首長国
- 石油は出ない
- 人口の9割が外国人
- 居住ビザが取りやすい
- ルールが厳しい
- 治安が良い
- 税金関連
- 義務の年金加入はない
- 医療関連
- 天候関連
- 外国人フレンドリー
- 日本人はそこそこ多い
- 宗教色が薄い
- 英語も公用語(?)
- 事務作業が雑
- 立地が良い
- ハブ空港がある
- 柔軟な施策
- ドッグフレンドリー
- 子供に優しい
- 子供が遊ぶ場所が多い
- デジタル化が進んでいる
- デリバリーが発達している
- 知らないと言えない文化がある
- 日本食が手に入りやすい
- 物価はやや高い
- 富裕層はそこまで多くない
- 接客業の質が高い
- 崩壊が始まったら速い(かも)
- 劣等感に苛まれる(かも)
- お金を使ってしまう(かも)
- 通貨がUSDと固定為替レート
- アメックスはあまり使えない
- 住宅関連
- 教育関連
- 自動車関連
- ドバイを楽しめそうな人
- 近況
- まとめ
はじめに
あくまで1年経っての感想なので、数年経つととまた違うかもしれない。 そして自分の場合はイスラエルに4年以上住んでから引っ越したという前提があるので、日本から直接引っ越した人、他の国から引っ越した人は全く異なる感想を抱くと思う。 実際に日本から引っ越した人と話すと違う感想だし、ヨーロッパ出身の人に聞くとまた違う感想だったりする。 職業だったり家族構成だったり性格だったり色々なものによって左右されるので、あくまでこの人はそう思ったのかぐらいにしておいて欲しい。
あとデータを参照して客観的な内容を書いているわけでもない。 一個人の観測なので当然偏っている可能性がある。 ドバイ全体では1割しかいない人達が自分の周りに偶然多くいる場合もある。 後述するがドバイには富豪も来るし出稼ぎに来ている人もいて、自分の住む地域や生活スタイルによって関わる人が大きく異なる。
感想と言っているので当たり前のことなのだが、「楽しいはずない!」とか「統計的に間違っている!」とか「私の周りでは違ったから嘘だ!」のように誤解されると困るので念のため最初に断っておく。
前提
ドバイを特に称賛したり批判したりする内容ではなく、引っ越して1年経ってみて知ったこと思ったことをただ書いている。 普段書く技術記事も自分の備忘録の意味合いが大きいが、今回は本当にただの感想なので文体も適当。 とはいえドバイ生活に興味ある人に少しでも参考になればと思って公開している。 やたら長いのでそもそも興味ある人しか読まないとは思う。 元々は友人などに軽く紹介するために書いていたのだが、気付いたら膨れ上がっていた。
ドバイに住む前は「富豪が多そう」「砂漠だらけ」「悪い人がいそう」といった程度のイメージだったのだが、住んでみたらかなり違ったので、自分が驚いた部分を特に細かく書いている。 自分の思うところをざっくばらんに書いているが、うちの家族はドバイを楽しんでいるためポジティブな内容が多く含まれる。
本記事で出す金額は1 AED = 40 円で計算している。 後述するがAEDはUSDと固定レートを採用しており、1 AED = 40円の場合は大体1ドル = 148円ぐらいになる。 2024年12月現在では1ドル150円程度で円安なので、円安における価格なのだと考えてもらえれば良い。
ドバイの特徴
思いついた順に適当に書いているので、あまり整理はされていない。
トイレが綺麗
最初に何を書くか迷ったがやはりトイレ問題を挙げたい。 完全に個人の感想だが、海外旅行で一番つらいのはトイレである。 トイレ内が汚いとかトイレットペーパーが取りにくいとかもあるが、国や場所によっては便座がなくて座れないなどの致命的な問題もある。 あとはトイレットペーパーがヤスリみたいな硬さで大ダメージを負ったこともある。
どんなに海外旅行を楽しんでいてもトイレに行くと現実に引き戻される。 羽田空港や成田空港に戻ってトイレに行くと、「日本のトイレが世界一!!」と大声で叫びたくなる。
その点、ドバイのショッピングモールには驚くことに清掃員が常駐している。 大きいモールだと2人以上いる場合もある。 彼らは個室から人が出てくると次の人が入る前に即座に清掃をする。 モップで床を掃除し、便座に洗剤を吹きかけて拭き取り、さらには便座を持ち上げて裏まで拭く。 トイレットペーパーが切れていれば補充するし、匂いを消すためのスプレーも使う。 男性トイレの場合、小便器の周りも常に清掃されている。 洗面台も清掃員が常に拭いているため水浸しになっていることもない。
一般論としてトイレは匂いがきつい場合もあるが、ドバイのショッピングモールのトイレはレモングラスなどのいい匂いがする事が多い。 トイレに入ってから「ここ本当にトイレ?間違った?」と思うことすらある。
あとはトイレの個室が埋まっている場合は清掃員が列の整理をすることもある。 息子が限界間近になってからトイレに行きたいと言い出し、急いでトイレに行って行列を見たときには絶望したが、清掃員の人が「子どもなので先に行かせてあげて欲しい」と並んでいる人から許可を取って優先してくれたこともある。 おかげで最悪の事態は免れた。 ちょうど今週他の子供が同じことをしてもらっているのを見たので、特に稀な出来事というわけでもないらしい。
日本では各自が綺麗に使うように心がけているのでそこまでしなくても綺麗なのだが、やはり汚く使う人もいるため入るタイミングによってはかなり汚い場合もある。 今まで日本のトイレが世界一と信じて疑わなかったが、清潔さや匂いに関してはドバイのトイレが上回るかもしれない。
地域によってはモールでも清掃員がいない場合もあるが、男性用トイレの個室が2つしかない小さいモールでも常駐しているのを見たことがあるので、清掃員を常駐させるのは一般的と言って差し支えないと思う。 ただしよく使う施設に清掃員がいない人にとっては感じ方が違うはずなので、その点は断っておく。
シャワートイレ完備
自分は常日頃からウォシュレットなしでは生きられないと公言しているのだが、海外にはウォシュレットはまずない。 これが海外旅行や海外移住の上での最大の障壁となっていた。
しかしイスラム教の場合はトイレにハンドシャワーがついている。 昔旅行でイスラム圏に来たときは使い方も分からず困惑するだけだったが、ドバイに住むようになってから素晴らしさに気付いた。
まず、このハンドシャワーはどこにでもついている。 1年間外出先で何度もトイレに行ったが、ハンドシャワーがついていないトイレは一度も見たことがない。 観測範囲では設置率100%である。 日本のウォシュレットは素晴らしいが、公衆トイレだとついていない場合も多い。 先日日本に帰ったら、思っていたよりウォシュレットの設置率が低かった。
そして水圧が強い。 ウォシュレットの最大水圧でも満足できない人でも満足できる水圧に調整可能となっている。 逆に日本でウォシュレットの水圧を強いと感じている人は、下半身が吹き飛んだと感じるぐらい水圧が強い時もあるので注意が必要。
最初は使い方が難しくて水浸しになるかもしれない。 実際にトイレが水浸しになっていることもある。 しかししばらく使えば慣れてきてミスも減るし、ウォシュレットよりも当てる位置が調整できて良かったりもする。
つまりある側面ではウォシュレットを凌ぎうる。 これは知らずに引っ越したので嬉しい誤算だった。 これ以降もうだうだと感想を書いているが、どれか1つドバイの素晴らしいところを選べと言われたら間違いなくシャワートイレを選ぶ。
日本人でもウォシュレットを一切使わない層がいるのは知っているが(妻含む)、ウォシュレットなしでは生きていない人にとっては死活問題なので所得税がないとかそういう項目を差し置いてこの内容を二番目に持ってきた。
UAEの首長国
これは自分の感想ではないが、知らない人もいるので書いておく。 ドバイはアラブ首長国連邦(UAE)の首長国であり、他に有名なところだとアブダビも同じUAEの首長国である。
周辺国はサウジアラビア、オマーン、カタールあたりで、アラビア湾(あるいはペルシャ湾)を挟んでイランと向かい合っており、中東に位置する。 イスラム教が国教となっている。
石油は出ない
石油で儲かった国と勘違いされることもあるが、実は観光と貿易がメイン。 調べるとたくさん出てくるのでここでは詳細は説明しない。
ただ世界一高いビルであるブルジュ・ハリファの建設のために石油の出るアブダビから借金をしているので、間接的には石油に助けられている気はする。
人口の9割が外国人
ドバイは2023年時点で外国人が336万人で、全体の人口は365万人なので92%が外国人ということになる。
https://www.dsc.gov.ae/Report/DSC_SYB_2023_01_03.pdf
現地の人が住む地域と外国人が住む地域は分かれていたりするので、体感の外国人率は9割を上回ると思う。 今まで会ったことのなかった国の人達と話せるので、様々な文化に触れられて楽しい。
居住ビザが取りやすい
ドバイに会社を設立すればすぐに居住ビザが取れる。 自分もドバイに住むことを決めてから1ヶ月程度でドバイに引っ越してビザを取得した。 会社の設立は代行業者に頼むと初回は150-200万円程度で完了し、その後は毎年100万円程度の更新費を見込んでおけばよいと思う。 会社を設立するエリアにもよるため、細かい金額は調べた方が良い。
ただ個人的には代行業者はおすすめしない。 無駄に時間がかかる上に費用も取られる。 短期間で国を2回も引っ越したために忙しくて日本人の代行業者に頼んでしまったが、本当に後悔している。 現地の業者なら良いかというとそんなこともないのだが、費用が安いのでどちらかというと現地の業者に頼んだほうが良いと思う。
時間に猶予のある人は自分での申請を勧めたい。 自分は今年から自力で更新作業をしているが、Webサイトも洗練されているので簡単に申請できるし費用もかなり安くなる。 自分の場合は少し特殊ではあるが、今年の更新費用は約50万円で済んだ。 50万円も安くはないが、所得税がないことを考えると大きくプラスになっている。
ルールが厳しい
これは有名だが、ドバイには厳しいルールが多い。 公共の場での飲酒や酔っ払っての行動は法律で禁止されているし、女性や政府機関の建物の撮影も許可が必要。 ゴミのポイ捨ても罰せられるし、電車内での飲食や睡眠も禁止されている。
他にも汚れた車の所有が禁じられていたり、細かいルールが多数存在する。
ただ電車で普通に寝ている人もいるし、そこまでルールでがんじがらめな気はしていない。 多くのルールは治安や景観を良くするためのものなので、個人的には歓迎するものが多い。
治安が良い
ルールが厳しい分、治安は良い。 外国人を誘致することを目標に掲げているので、治安が悪ければ人は来てくれない。
適当に見つけた以下の記事を要約する。
厳格な法制度とその執行
ドバイでは、公共の場での飲酒や不適切な行為に対して厳しい罰則が科されており、これが犯罪抑止に寄与している。
高度な監視システム
市内全域に設置された監視カメラや顔認識技術などの先進的な監視システムが、犯罪の早期発見と抑止に大きく貢献している。
文化的背景と法への尊重
ドバイの社会では、法律や権威に対する強い尊重の文化が根付いており、住民は法を守ることが社会的責任であると認識している。
経済的安定と高い生活水準
経済的な繁栄と高い生活水準も、犯罪率の低さに影響している。多くの人々が良好な雇用機会を得ており、経済的な理由による犯罪の動機が減少している。
などといった理由が挙げられているが、イギリスから来た人と話したら「それ以前に高級腕時計やカバンを身につけた人が無防備に歩いているのを見るだけで安全なことがわかる。ロンドンだったらすぐ盗まれる。」と言っていた。 彼はロンドンからドバイに引っ越した一番の理由は治安と言っていた。
息子の友人はフランスから引っ越してきたが、やはり治安が一番大きい理由と言っていた。 人の多いところには怖くて行けないし、もうフランスには戻らないつもりらしい。 確かに旅行客を狙ったスリなどは多いイメージだが、祖国に戻らないと決意するほど治安が悪化しているというのは驚いた。 これももちろん地域によると思うし、彼らはそう感じているという話で平和に暮らしている人もいるだろうし「ヨーロッパ=治安が悪い」のように思い込むのは良くない。
また人口の多くが出稼ぎに来ている人であり、罪を犯すとビザが剥奪されて国に戻されてしまう。
監視については人によってはプライバシーの侵害を感じるかもしれないが、自分は特に悪いことはしていないし監視カメラによって犯罪者が早期に逮捕されるならそれに越したことはないと思っている。
税金関連
所得税がない
まず所得税がない。意外と知らない人が多くて驚かれるが、2024年現在完全に0になっている。 これは人によってはかなり大きな金額になる。
法人税がない(条件付き)
以前は法人税も0だったが、2023年6月から9%の法人税が課されるようになった。 ただし、売り上げが375,000AED以下(1500万円)の場合は免除されて0になる。 自営業で細々とやっているケースだと超えないケースもありそうだし、そもそも所得税が0なので自営業なら役員報酬で出してしまえば会社に利益が残らないので法人税も0になる。 報酬が極端に大きい額だとつっこまれるリスクがあると税理士の人から聞いたが、9%は十分に低いのでその場合は大人しく払えば良さそう。 いずれにせよ日本よりはかなり安い。
キャピタルゲイン税がない
投資や仮想通貨で利益を出しても課税されない。 米国株とか買うとどうなる?と証券会社に聞いたところ、配当金は米国側で30%課税されるかもしれない(米国とUAEで租税条約がないため)が、キャピタルゲインに関してUAE側では課税しないとの回答だった。 何かを見落としている可能性もあるので、もしUAEの税金に詳しい人がいたら教えて欲しい。
義務の年金加入はない
自分の理解では日本にいる外国人は年金加入義務がある。 何か例外があるかもしれないが、日本に住んでいる外国から来た友人は加入していた。
https://www.nenkin.go.jp/tokusetsu/gaikoku_nenkin.html
しかしドバイでは年金加入義務はない。 UAE国民にはあるみたいだが、あまり詳しく調べていない。 少なくとも自分は払っていない。 イスラエルにいた頃は払っていたのだが、外国人は高確率で途中解約になるし途中解約は手続きも面倒なので、最初から納めずに済むほうが楽。
その他税金や健康保険の支払いもないため、給与明細が"Salary"の1行しかない。そのSalaryがそのまま支給額になる。 すかすかの給与明細を渡されたときには感動した。
医療関連
健康保険料は会社負担
ドバイでは健康保険の加入が義務付けられているが、会社負担で最低限の保険が提供される。以下に書いてあるように給与から天引きされたりもしない。
The health insurance law in Dubai requires the employer to offer a minimum level of healthcare coverage to their employees without deducting the premium amount from them or reducing their salary to compensate for the premiums.
All about Health Insurance Law in Dubai | Cigna ME
もちろん義務付けられているのは最低限の保険なので、より手厚い保険が必要ならプライベート保険に加入する必要はあるが、自分の例でいうと十分すぎるカバー範囲となっており個人では加入していない。つまり自己負担の保険料は0になっている。
病院代が無料(かも)
保険の種類にもよると思うが、病院代は基本的に保険でカバーされる。初診料だけ30 AED(1200円)ぐらい取られるが(我々の保険の場合)、基本はそのぐらい。今まで子どもを連れて何度も病院に行っているが大体の場合は1000円以下で済んでいる。もちろん治療内容によって保険でカバーされない部分もあるので注意は必要。特に歯医者はカバーされない保険も多いように見える。我々の保険は歯医者もカバーしてくれているので、定期検診も行き放題で助かる。ただ無料でいつでも行けると思うと結局あまり行かない問題はある。
薬代が無料(かも)
風邪薬などの基本的な薬は保険でカバーされるため無料になっている。ただ風邪の場合、ドバイの医者はビタミン剤を出したがるのだがビタミン剤は(我々の保険の場合)有料なので自己負担している。ビタミン剤は処方箋が必要なものでもないしAmazonで安く買えるので無理に病院で買う必要はない。
薬が大量に処方される
上の話と関連するのだが、おそらく保険でカバーされ患者負担がないことが理由で病院は大量の薬を処方したがる。これは周りの人に聞いてもほとんどの人が経験しているのでドバイあるあるだと思う。
自分も首が痛くなって病院に行ったら7種類の薬を出された。そのうち6種類は飲み薬だったのでさすがに薬局で「首痛いだけなんだけど処方薬あってる?」と聞き返した(あってた)。さらに飲み薬も2ヶ月分とか出されるので薬をいれる袋もパンパンになる。ビニール袋だと多分ちぎれるのでちゃんとした袋に入れて手渡される。このときも自己負担はなかったのでもらうだけもらったが、さすがに不安になってそれぞれの薬を自分で調べて本当に必要そうなものだけ飲んだ。という笑い話を近所の人にしたらみんなそうしてると言ってて全然ウケなかった。ドバイでは自分自身が薬剤師になることが求められる。
予約が簡単
アプリで先生を指名して予約できるので簡単に受診ができる。しかも大きな病院ネットワークがあって各分院(?)がある感じなので、近くの病院が埋まっていたら一つ遠くの病院まで行って受診もできる。 マクドナルドのアプリがどこの店舗でも使えるのと同じで、同じアプリから各病院の予約ができる。 カルテは共有されているので再度説明する必要もない。 電話が嫌いな人間なので予約がアプリから簡単にできるのは助かる。
ドバイには老人が少ないからなのか、あるいは医者が十分にいるからなのか分からないが、予約がいっぱいで受診できないということは経験したことがない。 自分は都市部から車で30分弱のところに住んでいるので都市部はまた違うかもしれないが、都市部はさらに病院が多いからやはり大丈夫な気もする。
日本に住んでいるとすぐ予約できるのは当たり前と思うかもしれないが、国によってはそうではない。 こないだ会ったカナダの同僚はMRIの予約をしようとすると数ヶ月待たされると言っていた。 人口に対して病院の数が少ないとのこと。 バンクーバーやトロントについては分からないが、同僚の住むカルガリーではそういう状況であるようだった。
オンライン問診が可能
アプリ上からビデオ通話で医者に問診してもらうことも可能になっている。 さらに処方箋も発行してくれるし、その処方箋は自動的に薬局にアップロードされて薬が配達されてくるため家にいるだけで完結する。
オンライン問診だと分からないこともあるため、数日薬を飲んで様子を見て改善しなければ実際に病院に行くように勧められる。 自分はちょっとした鼻水や喉の痛みでしか使ったことがないが、重い症状の場合は最初から病院に行くように勧められるのかもしれない。
病院の体験が良い
細かく挙げると色々あるのだが、面倒になってきたのでまとめて体験が良いと書いておく。 病院内は清潔だし、予約してから行けるので長時間待たされることはないし、受付の人も丁寧で愛想が良いし、医者もみな親身になって聞いてくれる。
風邪とかで行くだけなので医療レベルは分からないが、優秀な医者を世界中から集めているらしいので医療レベルも高そう。
天候関連
夏は暑い
恐らく多くの人がドバイについて知っているであろうことがこれ。6月ぐらいから40℃を超え始め(これは2024年の話で、友人は普段なら5月から暑いと言っていた)、最高だと43℃とかになる。ただしこの時点では湿度が高くないため不快感はあまりないし、日陰に入れば余裕で生きていける。ただ7, 8 月に入ると最高気温45℃ぐらいになり、湿度も90%近くなるため、体感温度は60℃を超える。 ドバイの日光で目玉焼きを作る有名な動画があるが、今となっては驚かない。 8月になると常時ロウリュされてるぐらい暑く、呼吸が苦しく感じるようになる。
ただ夏を一度経験し、以下の理由で実は意外と何とかなるという気付きを得た。
- 車社会
- AC(エアコン)完備
- 暑さを前提とした国造り
まず、ドバイは基本車移動になっている。 そのため、暑いのは家から車に行く間と目的地の駐車場から建物に入るぐらいの間なので、暑さを感じる時間はそこまで長くない。 こないだ5年ぶりに8月の東京に滞在したが、駅から徒歩10分みたいなことが多く暑さを味わう時間はドバイより長かった。 地元に帰ると車移動が多く全然歩かないし、そういう意味だと日本の田舎暮らしに近いかもしれない。
次に、ドバイはどこもかしこも空調完備という点。 これはヨーロッパからドバイに引っ越してきた友人から聞いた話だが、彼らの住んでいた地域だと古い家が多くエアコンがないことが多いらしく、仮にあってもリビングに1つだけだったりが珍しくないらしい。 元々ヨーロッパは暑くなかったので窓を開ければ平気だったが、最近はヨーロッパでも40度を超える日が続くようになり、夜暑くて寝られないという事が起きているとのこと。
ヨーロッパでは、部屋を強制的に冷やすことがあまり好まれません。暑ければ窓を開けて風を通したり、日除けを設置したりというのが一般的で、エアコンはほとんど普及していませんでした。
その点、ドバイの家はセントラル空調がない家は珍しく(といってもドバイに古くからある家はまた違うとは思う)、エアコンを24時間つけっぱなしにするので常に冷えた状態になっている。
そして、ヨーロッパの例のように元々暑くなかったが最近暑くなってきた...というわけではなく元から暑いので、それを前提に国が(特にドバイという首長国が)作られていると感じる。 巨大なモールがあり、そこで全ての買い物ができるようになっているし、当然エアコンがガンガン効いている。 子供の遊ぶための屋内施設も数え切れないほどある。 デリバリーも恐ろしく発達している(後述)。 ヨーロッパだと路地をブラブラ歩きながら買い物というのが一般的だと思うが(観光地だけだったりする?)、体感温度60℃を超えている中でブラブラ歩くとかは不可能なので、それを前提にまちづくりされている。
あとドバイの場合暑すぎて、このまま外にいると死ぬ…という別のセンサーが働くのか、意外と不快感はなかったりする(個人差あり)。
暑さはドバイ最大の弱点と思っていたが意外と何とかなるという感想。
冬は快適
一方で10月ぐらいになると一気に快適になる。 日中は25度ぐらいになり、暑くもなく寒くもない。 真昼は30度ぐらいまで行く日もあるが、それでも湿度が低いから大して暑く感じない。 これが3月までは続くし、4月もそこまで暑くはない。 日本の春とか秋ぐらいの気候がずっと続く。 朝と夜は少し肌寒いので上着を羽織ることもある。
確かに夏は暑いが冬の5~6ヶ月は快適なので、トータルすると気候はかなり良いと個人的には感じている。 暑さに極端に弱い人でなければ同じ感想になる人は多い気がする。
冬服が不要
一番寒い1月でも最低14℃、最高24度とかなのでコートはまず要らない。 自分は衣服に興味がなく会社のイベントで貰った無料のTシャツを何年も来ているような人間なのだが、冬服は無料で貰えないので困っていた。 しかしドバイに来てからは冬服が不要になり収納場所の面でも金銭面でも助かっている。 冬服でおしゃれを楽しみたい人には辛いかもしれない。
雨に弱すぎる
ドバイの降水日数は年間平均で23日で、特に夏の間はほとんど降らない。 そのため道路などに排水口などがあまり配置されておらず、雨が降るとあっという間に冠水してしまう。 ドバイに来たばかりの頃、小雨だったので油断して車で出かけたら1mぐらい雨が道路に溜まっていて車が進まなくなったことがあり、それ以降は雨に気をつけるようになった。
ただ自分は在宅勤務なので外出できないのはあまり問題ではない。 問題は雨が降ると学校が閉まるということ。 一番雨が降る1月ですら平均降水量は17mmであることから分かるように、大した雨は降らないのだが天気予報で翌日が雨の場合はアラートが出る。 国土交通省のようなところからSMSやメールなど色々な手段で「外出しないように!学校は閉鎖!」みたいな連絡が来る。 しかも大体道路や建物に雨のダメージが残るため数日閉鎖になる。 学校が閉まると子供の面倒を見なければならず仕事ができなくなるのでこれは致命的。
大雨が降ると雨漏れするので修理が必要になるが、雨の上がった日は各家が修理を頼むため予定がいっぱいでなかなか来てもらえなかったりする。
さらに今年は記録的な大雨が降った。 友人の家は車も壊れ一階が壊滅して、避難しようとしたら家の前が湖となっていたので住宅街で準備されたボートでホテルまで行ったらしい。
引っ越してきて数ヶ月でいきなり「過去75年で最大」の雨に見舞われるあたり、2024年は自分にとってやはり厄年だったと思う。 しかしこの大雨のあとに国を上げて排水設備の設置に乗り出しようなので、今後は改善されるはず。
ドバイ・ショックの件もそうだが、ドバイは失敗から学んで再発防止策を迅速に行うのが凄いと思う。
外国人フレンドリー
ドバイは人口の9割が外国人な上、さらに外国人を誘致することを計画している。 Dubai 2040 Urban master Planというものが存在し、2040年までに780万人の人口を目指している。 現在の人口が360万人程度なので、さらに420万人増やすということになる。
Dubai 2040 | Urban Master Plan & Sustainable Development
これはもちろん現地の人が子供を増やすわけではなくて、外国人をさらに誘致することを意味する。 ドバイ全体がそういう政策なので、外国人が住みやすいように設計されている。 ビザの取得も容易だし、ビザを取るとすぐにID(UAEではエミレーツIDと呼ばれる)が発行される。
イスラエルに住んでいた頃はIDがもらえず苦労していたので、ドバイではあっさり手に入ってしまって拍子抜けしたが、エミレーツIDがあると携帯回線の契約、銀行口座の開設、賃貸契約など全てがスムーズに行く。 日本でいうと国民全てがマイナンバーを持っておりマイナンバーが全ての情報に紐づいている世界を想像してもらえば良い。 とにかく便利で驚く。
日本に住んだことのある海外の友人からはやはり最初口座開設や住所で苦戦したと聞くし、我々もIDがないせいで全ての手続きが初手で躓いた。 この画像はあるあるすぎる。
話は逸れるがイスラエルの頃は、IDのない外国人のためにパスポートを受け付けるところもあった。 しかし日本のパスポート番号は最初にアルファベットが含まれているせいでエラーになるというのを何度も経験した。 数字のみで構成されるパスポート番号が一般的らしい。
日本人はそこそこ多い
在留邦人数は2020年時点で4,358人らしい。 ドバイの人口が360万人程度であることを考えると0.12%程度なので少ないが、街を歩いているとたまに見かける程度にはいる。 日本人が好んで住むエリア(ドバイマリーナやドバイヒルズなど)であれば公園に行くと普通に会ったりするらしい。
イスラエルにいた頃は人口が900万人程度に対して在留邦人数は1,100人程度だったので割合は0.012%でドバイの1/10だった。 0.012%だと街で遭遇することはまずない。
そうは言っても米国・中国・オーストラリアなどに比べるとかなり少ないので、日本人だらけということはない。 我々は郊外に住んでいるので今のところ日本人の友人はほぼいない。
宗教色が薄い
外国人が9割ということから分かるように、ドバイでは宗教色が薄い。 イスラム教ではハラルによって禁じられた食品があり、代表的なところだと豚肉やアルコールがある。 厳密には「ハラル」はアラビア語で「許されている」という意味なので許可食品を定義しているのが正しいのだが、細かいルールが多くて大変なので禁じられているものを覚えておくほうが良い。 日本でもハラル認証の給食を提供する取り組みが始まったらしいので他人事ではない。
ドバイでもスーパーでは豚肉は売っていないのだが、すぐ見えるところに売っていないだけで、ノンハラルコーナーという別室がありそこでは普通に豚肉が変える。
アルコールもどこのレストランでも飲めるわけではないが、ホテルのダイニングなどでは飲めるしネットで購入して自宅で飲むことは許されている。 スーパードライや一番搾りも売っているのでちょくちょく買っている。 ホテルだとビール一杯で2,000円かかったりするので高いが、ネットで買うと350mlで約300円で買える。 半額セールなどもたまにやっているので、そういうセールをうまく活用すれば日本より安く買える場合もある。 しかも円安の2024年12月現在のレートで計算しているので、本来はもっと安い。
モールの入口などに肌を露出した服装は控えるように書いてあったりするが、そんなのお構いなしにタンクトップやハーフパンツを着ている人もいる。 もちろん他国に住んでいる以上、その国の文化は尊重するべきだし配慮したほうが良いが、そこまで注意しなくても大丈夫なぐらい各人が好きに暮らしている。 外国人が多いので目立つということもあまりない。
ただ役所などは厳しいので注意が必要。 急ぎの用事があったので買い物帰りに短パンで役所に行ったら警備員に止められてしまったことがある。 とはいえさすがドバイで、役所の中に長ズボンを貸してくれる場所があり、それを履けば通してくれる。
また、アラブ人とガザの件について話してみたこともあるが、至って冷静で中立な意見だった。 SNS上にいるような過激な思想を持った人達を見続けるのはやはり良くない。
英語も公用語(?)
ドバイではアラビア語と英語が公用語と書いてあるWebサイトが多いのだが、アラビア語のみと書いてあるものもある。 公式情報を確認したところ、少なくともUAEにおいてはアラビア語が公用語であると書かれている。
Fact sheet | The Official Portal of the UAE Government
ドバイに関しては公式な記述が見つけられなかったので厳密な公用語についてはわかっていないが、首長国がUAEと異なる公用語を持てるものなのかよく分かっていないし、公式にはアラビア語だが実質的には英語も公用語に等しい位置づけなのかなと勝手に想像している。 少なくとも自分の経験上は政府機関の発行される書類には英語もアラビア語もどちらも書かれていた。 しかも英語の文書が最初で後半に同じ内容でアラビア語が書かれていたりするため、前半だけ読んでアラビア語が書かれていることに気付かないことすらある。 そのためアラビア語が読めなくても特に不便はない。
街中でも両方併記されていることが多いし、英語のみ書いてある場所も多い。 むしろアラビア語のみの場所は見た記憶がない。 現地の人が多い場所だとあるのだろうが、外国人の多いエリアでは英語は必ず書いてある。
英語が通じなかったことも経験上一度もない。 流暢な英語を話す人も多いし、異なるバックグラウンドを持つ人が多く様々な訛りの英語を聞くのも楽しい。 英語ネイティブが多数派ではないので引け目を感じることもない。
イスラエルも英語はほとんど通じるが、アプリは全てヘブライ語だったりするしカスタマーサポートに電話すると英語が話せない人も多かった。体感的には7割ぐらいは英語で生活できるという感じだったが、ドバイにおいてはアラビア語が話せなくて困ったことは一度もない。一年住んだ経験では10割英語で行けた。長く住むとそういう経験もするのかもしれないが、稀だと思われる。
事務作業が雑
事務作業と言うべきなのかよく分からないが、銀行や確定申告の手続きなどをすると大体ストレスが溜まる。
まず、3日以内に書類を送る、などと言って期限を守った例がない。 期限を過ぎたタイミングで連絡が来ることもない。 こちらから催促するまで永遠に遅延する。
そして書類を確認すると大体間違っている。 自分は男だが、システム上女性として登録されていたことがある。 しかも時すでに遅しで変更できなかった。
エミレーツ航空の会員ランク(ティア)をアップグレードできるクレジットカードがあり、年会費はAED 3,000 (12万円)でかなり高いのだが、ラウンジなども使えるので契約することにした。 しかし契約してもティアがアップグレードされず、何度もカード発行元に電話したが「時間がかかる場合がある」との回答で、数ヶ月待っても反映されなかった。 さすがに電話で強い口調で追求したところ「我々ではなくエミレーツ航空に問題があるから彼らに連絡するように」と回答してきた。 あちこち連絡した結果、最終的に問題はカード会社のシステムにあることが判明した。 他社や他者に責任をなすりつけるということはよくある。 そしてシステムの問題を解決した上でなおアップグレードが行われなかったので返金を求めたが返金も行われず、ただ無駄に12万円を失っただけになった。
日本の常識で考えるとありえないわけだが、そのような経験は今まで幾度となくしてきたので慣れてしまった。 深い遺憾の意を表明して電話を切った。
立地が良い
UAEはヨーロッパ・アフリカ・中東・西アジアの中心辺りに位置しているため、旅行がしやすい。 ヨーロッパまで6−7時間で行けるし東欧も3-4時間で行ける。 モルディブも4時間程度で行けるので3連休ぐらいあれば行って帰ってこられる。
日本までは10時間程度なのであまり近いわけでは無いが、直行便で乗れば着くので十分近いと感じる。
ハブ空港がある
2024年4月に国際空港評議会が発表した Top 10 busiest airports in the world によると、ドバイ国際空港の2023年の国際線旅客数は8699万人で、「世界で最も忙しい空港」に10年連続で選ばれている。
それにも関わらずアル・マクトゥーム国際空港という別の空港を現在改修中で、ドバイ国際空港の5倍の規模になるとのこと。
ドバイを拠点とする航空会社であるエミレーツ航空の就航国数は2019年時点77ヶ国で世界5位で、大体の場所には就航している。 ANAが23ヶ国程度らしいので(公式の数は見つけられなかった)、かなり多いことが分かる。 UAEは国内線がほぼないので単純に国数で比較はできないが、海外出張や海外旅行の際には便利ではある。
柔軟な施策
ユダヤ教は安息日の関係で週末は金土になっていて日曜から仕事が始まる。 イスラム教では金曜日が礼拝日で休みになるため、週末はそれに応じて金土になったりするらしいが、モロッコやトルコは土日休みで多少のばらつきがある模様。 UAEでは金土休みだったのだが、2022年に土日休みに変更した。 これは世界の他地域と足並みをそろえてグローバルビジネスの円滑化を促進するためらしい。
2022年から公的な週末を土日に変更、金曜日は半日勤務に(アラブ首長国連邦) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース - ジェトロ
グローバルビジネスが大事なのは分かるが、休日まで変えてしまうというのは驚いた。
また、人口の増加に伴い交通量が増加しているのだが、それを受けて道路の数を倍にします、という発表をしたりする。この道路は自分がよく使う道路で、この発表は2023年の10月頃されたみたいだが、それから1年程度で既に倍近くなっており実行までの速度にも驚かされた。
小学生並みの感想になってしまうが、絶妙な政策が多く政府に賢い人が多いように感じる。
ドッグフレンドリー
イスラム教では犬は不浄の存在とされているため、豚と同様触れてはいけないことになっている。 我が家は犬を飼っており、引っ越し先を考える際に最初からイスラム圏は除外していた。 UAEもイスラム圏であるため、当時は候補にもなっていなかった。
しかし偶然世界最大の屋内ドッグパークがドバイにあることを知った。
イスラム教なのになぜ?と思い調べたところ、ドバイでは現地の人が1割しかいないため宗教色が強くないということを知った。 さらに調べたところ無料で使えるドッグランが多数あり、後述するがグルーミングデリバリーのサービスがあるほど犬に対して寛容であることがわかった。 ドバイに下見に行ったら多くの犬が歩いていて、さらには犬の排泄物用の袋やゴミ箱も道に設置されており、寛容どころか歓迎されていた。 自分が下見に行ったエリアでは犬禁止の賃貸は一つもなかった。
もちろん現地の人は犬を怖がるので気をつけなければいけないが、ドバイの人口の1割しかいない上に住む地域が分かれているのであまり遭遇することはない。 個人的には日本が好きだが、犬に対しては厳しいと感じている。 実際に帰国を想定して調べてみたが、子犬のみ可の賃貸物件が多くて大型犬と住むのはかなり難しそうだった。 犬をカフェやレストランに連れて行ける、さらには電車やバスにも一緒に乗れる生活が当たり前になっていたので、その生活を手放すのはちょっと想像できなかった。 海外にもうしばらく住み続けることを決めた大きな理由の一つでもある。
さらにイスラエルではIT系だとオフィスも犬OKなところが多いし、大企業だと社内にドッグランや犬の世話をする人までいたりする。 ドバイの街中はそこまでフレンドリーではないが、逆にグルーミングやデイケアなどのサービスが充実している。
子供に優しい
ベビーカーを押していると道行く人が声をかけてくれたり段差で助けてくれたりドアを開けてくれたりする。 子供が騒いでも怒られないし、電車で席を譲ってくれたりする。
これは子供が多いからなのかなと推測している。 ドバイの平均年齢は33歳らしいので、日本が47歳(2020年の国勢調査によると)であることを考えるとかなり若く、子供の割合も多い。
子供が遊ぶ場所が多い
子供が多いので、子どもの遊び場が多い。 ウォーターパークは山ほどある。
屋内テーマパークも複数あるし、レゴランドもある。 無限にトランポリンができる施設もある。
ショッピングモール内にはほぼ必ず子供用の遊び場があるし、遊ぶ場所で困ることはない。
デジタル化が進んでいる
ドバイでは2021年時点で世界で初めて政府機関の完全ペーパーレス化を達成した。
実際に紙を受け取ったことは一度もないし、ほぼすべての手続きがアプリで完結する。 さらに驚くのは国によるデジタルIDが提供されている点。 UAE PASSというアプリがあり、これを使うと様々なオンラインサービスにシングルサインオンができる。 エミレーツIDと紐づいているので個別のサービスで身元確認をする必要なくサービスが利用できる。 確定申告なども申請用のWebサイトを初めて訪問するときからUAE PASSにより自分のアカウントが作成された状態になる。 10年以上前だが学生の頃にOpenID Connectを勉強していて、こういう世界になればいいのになと思い描いた世界が実現されていて少し悔しい。
仮想通貨などの暗号資産で不動産購入の支払いができたりもする。
後述するが病院の予約や処方箋の確認もアプリで完結するし、保育園の日々の写真などもアプリにアップロードされるし、ビザやエミレーツIDなどの申請状況も全てアプリで見られる。 水道光熱費も過去分含めすべて単一アプリで見られるようになっている。 住んで一年経つが、これもアプリでこんな簡単にできるの?!というのが日々見つかる。
デリバリーが発達している
夏は暑すぎて外を出歩けないため、デリバリーがとにかく発達している。 フードデリバリーは言わずもがなだし、生鮮食品も無料でその日のうちに配達してくれる。 上にも書いたが薬も薬局が配達してくれる。
そしてカーレンタルすると車を配達してくれる。 アプリから予約して住所をいれると家まで来てくれる。 さらに異常なことに24時間配達してくれるので夜中に「急に車借りたくなったな〜〜」と思っても来てくれる。 あと車を買ったときも配達してくれる。 家の前まで車がトラックで運ばれてくる。
ガソリンも配達してくれる。 アプリでガソリンを依頼できて、家まで来て車にガソリンを入れて勝手に帰っていく。 入れた分だけがアプリ上で決済される。 ガソリンスタンドを持たないことで土地代を浮かせるサービスなので、ガソリンスタンドと同じ値段で入れてくれる。 前までは手数料も多分なくてガソリンスタンドと全く同じ値段だったが、最近利用者が増えすぎたのか2.95 AED(約120円)だけ手数料を取るようになった。 手数料は前から取っていたのかもしれないが、領収書には最近記載されるようになったため最近認識した。
ペットグルーミングサービスも配達してくれる。 家の前まで大きなトラックで来て、ペットのシャンプーなどをして帰っていく。
出張マッサージもあるし、出張ネイルまである。 ネイルはしたことがないのでよく分からないが、友人によると家で子供の面倒を見ながらやってもらえるので便利らしい。
エミレーツIDも配達してくれる。 日本でもマイナンバーカードを本人限定受取で発送できた気はするが、UAEではビザ取得時に指紋を採取されるため本人確認は指紋で行われる。 配達者が指紋認証の機器を持っているので、それを使って本人確認をする。
知らないと言えない文化がある
ドバイは外国人が多いが、その中でもインド人が特に多い(2024年現在)。
Indians form the largest foreign community in the UAE, followed by Pakistanis, Bangladeshis, other Asians, Europeans and Africans.
自分は知らなかったけれど、インドには「Noと言わない文化」があるらしい。これは実際にインド人に聞いたが、事実であると言っていた。以下のブログでも触れられている。
自分がドバイに来た直後はこの文化を知らず、かなり苦労した。例えば空港で「チェックインカウンターはどこですか?」と職員に聞くと、「あっち」のように即座に回答をもらえる。しかしそれを信じてそっちに行ってみても間違っていたりする。ドバイに犬と一緒に到着した時にどこで引き取れるのか、と聞いたら住所を教えてもらったのでタクシーで15分かけて行ったら全然関係ない場所だったりした。その時点で「なるほどみんな嘘を言うんだな」と気付いたので、その後は回答を即座に信じないようにして複数人に同じ質問を繰り返すようにした。そしてその中から一番確からしい場所に行ったらようやく犬と会えた(その間も嘘の場所を何度も教えられた)。
ようやく生活が落ち着いたあとに「何でみんな嘘を言うのか」と雑談で近所の友人に聞いたところ、嘘をついているわけではなくてNoと言って悲しませる(困らせる)ことをしたくないから何かしらの回答をする文化であるということを教えてもらった。
インドは人口も多く色々な人がいるし全員がそういうわけではない。 普通にNoという人もいるだろうし、インドという大きい括りで捉えてしまうと雑なレッテル貼りになるので気をつけたい。 さらにドバイにはいろいろな国籍の人がいるので、この文化圏の人々ばかりではない。 ただしドバイで自信満々に嘘を教えられた経験は一度や二度ではないので、こういう文化があることを知っておくと役に立つと思う。
イスラエルにいたときはむしろ逆で、病院の受付で「小児科どこ?」と聞いても「知らん」と返されたりして、あなたが知らないなら誰が知ってるというのでしょうか?(反語)みたいなことが多かったので文化が全然違って面白い。
日本食が手に入りやすい
日本食スーパーも多いので調味料や冷凍食品も基本的なものは大体手に入るし、日本食レストランも充実している。 海外によくあるカリフォルニアロールのような日本食ではなく、きちんと日本人が監修している店も多い。
こないだHisayaという日本食の店に行ったら一人9,000円で寿司や刺身から他の日本食も食べ放題だったのだが、どれもクオリティが高かった。 半信半疑で中トロを食べたら美味しくて驚いた。
Taste the Authentic Japanese Cuisine - Hisaya Dubai
上述したように日本のビールなども買える。 カップ焼きそばのUFOはその辺のスーパーでも売っているし値段も5 AED(約200円)なので日本とそこまで変わらない。
牛タンも1本丸々1kgが90 AED(約3,600円)で買えるのだが、クオリティを考えると日本より恐らく安い。 牛タンを食べる文化が海外にはないからか安く売られていることが多く、イスラエルの頃も割と安かったのだが自分で捌かないといけないので大変だった。 ドバイではカットをお願いできるので焼くだけですぐ食べられる状態で配達されてくる。 便利な半面、イスラエルの頃に身につけた生活力が失われていって少し切ない気もする。
物価はやや高い
ドバイの物価は日本と比べると高いが、全てが高いわけではない。 安いものもあればとんでもなく高いものもある。
例えば中東なのでガソリンは安い。2024年12月時点ではレギュラーは1Lあたり2.5AED(約100円)になっている。 1ドル150円の円安でこの値段なので、自分の中では70~80円ぐらいのイメージではある。
レストランは高い。 高級店でなくてもランチは2,000~3,000円ぐらいかかる。 ただしフードコートに行けば安く抑えられる。 こないだもマクドナルドに家族で行って全員分のセットを頼んだが、クーポンをうまく使って2,000円で済んだ。 さらにAl Baikなどもっと安いハンバーガー屋もある。
高級レストランは上限がない。 こないだドバイマリーナという都市部に行って見かけたオシャレなレストランのメニューを調べてみたら、寿司6巻で5万円ぐらいしてそっと閉じた。 最初は桁を見間違えて5,000円もするの?高すぎ!とか言ってた。
野菜は産地にもよるがかなり安く買うこともできる。 イラン産のキャベツは1kgあたり3.7 AED(約150円)で売っている。 一方でトルコ産は25.75 AED(約1030円)になっている。 我が家は何となく300円ぐらいのキャベツにしているが、各家庭の好みや家計に応じて選べる選択肢があるのは素晴らしい。
VIVAという激安スーパーマーケットでは蕎麦1袋(4束入り)が1 AED (40円)で買えたりする。 この蕎麦は普通に美味しいのでしょっちゅう食べている。
平均すると日本の頃の生活費の1.5倍ぐらいで済んでいる。 生活スタイルによってばらつきがあるだろうが、日本と同じような生活をするのであれば2倍は行かないと思う。
富裕層はそこまで多くない
ドバイと聞くと金持ちが住んでいるというイメージがあるかもしれない。 実際、Henley & PartnersのPrivate Wealth Migration Report 2023によると2023年には5,200人の富裕層(100万ドル以上の資産を持つ人々)がドバイに移住してきたらしく、富裕層の移住先として世界一になっている。
しかし2022年のUAE民間セクターの職業別統計によると、肉体労働者は約280万人で全体の50%程度となっている。 ドバイだと2017年のデータしか見つけられなかったが、Elementary occupations、Craft and related trades workers 、Plant and machine operators, and assemblers の合計が47.3%程度なので、やはり半数は肉体労働者と言えると思う。 自分で集計したので間違っているかもしれない。
また、家政婦やベビーシッター、運転手なども賃金は高くない。フィリピン・パキスタン・バングラデシュなど、南アフリカや南アジアから出稼ぎに来ている人がこれらの職業に就いている。 これらの職業は平均賃金はAED 1,500(約6万円)からAED 5,000(約20万円)というデータもある(UAE公式の情報は見つけられなかった)。 我が家ではホームクリーニングを頼んでいるが、3時間で82 AED(約3,300円)になっていて、日本と比べてもかなり安い。
ドバイはこれらの出稼ぎ労働者によって成り立っているので、多くの人は少ない賃金で暮らしていると言える。 そのため、上で述べたようにドバイには安いオプションも多く存在する。 旅行者が行くような場所に行かなければ200~300円で食べられるランチも存在する。
接客業の質が高い
海外の接客業に対する自分の期待値はとても低いものがある。 スーパーの店員は大体座ってYouTubeやTikTokを見ていて、商品を持ってきても目すら合わせない。 会計の終わった商品はぶん投げる。 これは勝手なイメージではなく実際に自分が経験してきたことである。 日本はコンビニですら愛想よくしてもらえるので素晴らしい。
しかしドバイではまずスーパーなどに行くと店員が立っている。 正直ここに関しては座っておけば良くない?と思ってしまうが、とにかく立っている。 そして店員は優しいし、ユニフォームも着ている。 商品を投げたりもしないし、袋詰してくれる専用の店員がレジの横に立っていたりもする。
また、海外ではレジを待つときに列を作るのはかなり難易度が高いと思っていた。 勝手に順番を抜かす人も多いし、抜かさなくてもなぜか自分の前に立っていたりして「割り込む気か?」と不安にさせられることも多い。 フォーク並び(1列に並んで空いたレジに次の人が行くやつ)など夢のまた夢である。 日本人が自然と列を形成するのはすごいスキルだなといつも感心する。
そしてドバイでも自然と列を形成することはできない。 やはりこれは特殊な技能であると再確認するわけだが、ドバイではそこで終わらない。 列を整理するための人を配置するのである。 これによって強引に秩序を保つ。 割り込みをされる心配もない。 さらにレジの前に細い通路を作ることで仕組み的にフォーク並びを実現する。
順番抜かされることにストレスを感じるのは日本人だからなのだろうか?と思っていたので、ドバイで列を作るために人を雇っているというのは驚いた。 上層部の誰かがそこに価値を見出して人件費を捻出しているということで、同様の価値観を持っている人がいるということになる。
トイレの清掃員もそうだが、各自の意識でどうにかしようという方法では回らないので、人を雇って解決している。 これが成り立つ間は最高の方法だと思う。
崩壊が始まったら速い(かも)
ドバイは外国人労働者によって多くの産業が支えられているので、一度外国人が国外退去を始めてしまうと一気に崩れる可能性はある。 現地の人がどれだけお金を持っていてもサービスを提供してくれる人がいないということにもなり得る。
トイレの清掃員や列を整理する人など、費用対効果の高くなさそうな仕事が成り立っているのは、安い労働力があるからだと思う。 ドバイの清潔さは各自の意識によって支えられているわけではないので、これらを維持する人がいなくなったら一気に失われる。
一方で日本も外国人が増えてくると暗黙のルールで支える社会が不可逆的に崩れそうなので、どちらが良いのかは今のところ分からない。
劣等感に苛まれる(かも)
ショッピングモールに行くとブランド品を持っている人がたくさんいる。 富裕層だらけではないと言ったが、高級店エリアなど集まるところには集まっている。 見る人が見れば数百万円もするバッグや時計を身に着けていることが分かってしまう。 外に出ればスポーツカーが何台も駐車場に並んでいたりする。 しかもそんな人がゴロゴロいるので、そういった人と自分を比較すると劣等感に苛まれる可能性がある。
自分の場合は会社からもらった無料のTシャツとビーチサンダルで生活しているので他人の目は全く気にならない。 そもそもブランド品を知らないので他の人のアクセサリーを見ても高いかどうか分からず、そういうものは全く感じずに済んでいる。
お金を使ってしまう(かも)
ドバイに来る前は税金がない分、どこかで搾取しているのではないかという懸念があったが、現状理不尽にお金を取られたことは特にない。 しかし問題は、ドバイは様々な楽しい体験を提供しているため気持ちよくお金を使わされてしまうということである。
ドバイには世界一が多数ある。 これは調べれば出てくるので今更説明しないが、例えばAquaventure Worldという世界一大きいウォーターパークがある。 入場料が1万円以上するのでかなり高いわけだが、とにかく楽しい。 1万円でも元が取れると思うぐらい遊べる。 分かりやすい例としてウォーターパークを出したが、他にも多くの遊べる場所がある。
美味しいレストランも多いし、ショッピングも世界中の店が集まっていて楽しい。 つまり理不尽にお金を搾取するわけではなく、最高のサービスを提供することで正面からお金を取りに来ている。 力こそパワー。
常に松竹梅の異なるプランを用意しており、より多くお金を払うとより良いプランが選べる。 例えばレゴランドの年間パスも一番安いシルバープランだと495 AED (約20,000円)で買えるが、Ultimate Platinum Plus - Familyだと8624 AED(約344,000円)になる。
Annual Pass | Dubai Parks and Resorts
飛行機でいうところのエコノミー・ビジネス・ファーストクラスのようなもので、各プランは金額にも大きな差がある。 しかしそれに見合うサービスを提供するので、高いプランを選びたくなってしまう。
また個人的には所得税がない分、消費で還元しなければと思って財布の紐が緩んでしまう。 ドバイは2018年に付加価値税(VAT)を導入したので、消費をするときは税金が5%取られる。 税金を払える数少ない機会となっている。
あとは見栄を気にする人だとブランド品を買いすぎたりとか豪遊しすぎたりでお金を使い果たしてしまう人もいると聞く。
通貨がUSDと固定為替レート
UAEの通貨であるディルハム(AED)はUSDと固定為替レートを採用しており、1 ドル=3.67 AEDとなっている。 自分の場合は米国に証券口座を持っているのでドルで資産があり、当然日本円も持っているので、イスラエルにいた頃はさらに新シェケルがあって3つの通貨を管理していた。 それぞれの為替レートを気にして海外送金をしていたのでかなり面倒だった。 その点、AEDはUSDと固定レートでその辺を気にしなくて良いので助かっている。
今はUSDに対して円安なので、AEDで給料を受け取っている自分はドル高円安の恩恵を受けられている。
アメックスはあまり使えない
キャッシュレスが当たり前なのでクレジットカードはどこでも使えるがアメリカン・エクスプレスは使えないことが多い。
住宅関連
コミュニティが充実している
ドバイではゲートで囲われたコミュニティが多数存在している。 例えば以下のようなコミュニティがある。
上はリゾートのようなコミュニティだが、森のコミュニティだったり多種多様なコンセプトのコミュニティが現在建設されている。
ゲートで囲まれており中に入るためには警備員にカードを見せる必要があるため、防犯上多少の安心感がある。 そしてコミュニティ内には基本無料のジムとプールがある。 今住んでいるコミュニティだと、さらに波の出るプール・スケートパーク・BBQ場・乗馬できる場所などもある。
大きいコミュニティだとショッピングモールや学校が併設されていて、この中で生活が完結する。 ドバイは砂漠というイメージだが、コミュニティ内は緑も多いので散歩するのも楽しい。
不動産価格は現時点では割安
ここまで書いてきて既に疲れたので適当になってしまうが、2024年時点では東京のタワーマンションなどと比較すると坪単価で半額ぐらいでタウンハウスが買える。 タウンハウスというのは日本で言う長屋みたいなもので隣の家と壁が繋がっている。 しかし二階だけ繋がっていて一階は離れているタウンハウスもあるし、集合住宅感は薄い。 ビラと呼ばれる一軒家だともう少し高いが、それでも坪単価では都心と比べればまだ安い。 ニューヨークやシンガポールなど不動産価格の高い場所と比べると相当割安になっている。
これらの家はコミュニティ内にあり、様々な設備に無料でアクセスできることを考えると物件価格差以上にお得感がある。 コミュニティ外の家だとさらに安い。 オフプランといって物件が完成する前に購入すれば物件価格も安くなりローンを組まずに分割払いができるため総支払額は相当少なくなる。
ただこれは立地による。 パーム・ジュメイラという人工島がドバイにあるのだが、そこの物件はやはり高い。
自分は不動産屋ではないので上記は厳密な比較ではない。 ドバイのこのエリアは東京でいうとこの辺かな、という主観で比較している。 ドバイの不動産投資については日本語でも情報が多数あるので詳しく知りたい人は調べてみると良い。
ここ数年不動産価格は上昇している
直近1年間で20%以上不動産価格が上昇したらしい。 ただこれはコロナで下がった価格が戻っているだけという見方もあるので今後どうなるかはわからないが、5年前以上前に不動産を買った人は次々と億万長者となっていて羨ましい。
個人的には「ドバイはまだ人口を増やそうとしてるし、人口が増えれば不動産価格も上がるでしょう!」と雑に楽観視しているのでうっかり家を買ってしまった。 今は不動産バブルと言う人もいるし、今後どうなるかはわからないが海外で家を買うというのも面白い経験だなと思って勢いで決断した。
家の完成度は高くない
天候のところで書いたが雨が降ると新築でも雨漏れするし、ドアもきちんと閉まらなかったりする。 壁も剥げるし洗面台の下のパイプもいきなり取れた。
家賃にもルールがある
住んでいるエリアの相場から何%以上乖離してはならない、前年の家賃から何%以上値上げしてはならない、のようなルールが厳密に決まっている。 政府のLand Department(国土交通省のようなもの?)がRental indexを提供しており、家賃相場を簡単に確認できる。
オーナーの一存で50%引き上げたりはできない(と不動産エージェントは言っていた)。
ごみ捨てが楽
急に小さい話になるが、タウンハウスなどは各家の前にゴミ箱が設置されていて、週に数回全てのゴミ箱から回収される。 曜日を気にする必要はないし遠くまで捨てに行く必要はなくて、気付いたときに家の前のゴミ箱に入れておけば勝手に回収されている。 これは細かいが便利なので一応書いておいた。
教育関連
教育費は高い
ドバイに海外から移住した子供はインターナショナルスクールに通うことになると思うが、この学費は安くはない。 安いところでも年間120万円程度、一般的なところは200万円程度はする。 ドバイはお金を出せばより良いサービスを際限なく受けられるようにしており、400万円以上の学校もある。
ただ日本でもインターナショナルスクールに通わせると高いと聞いているので、それと比べると日本人の全くいない環境で200万円程度なら安いと考える人もいるかも知れない。 自分は小学校から大学院まで国立と公立のみに通ってきた人間で、18年間の学費全て合わせてもドバイの2年間(高い学校だと1年間)の学費を下回るので、やはりドバイの学費は高いと感じる。
学校の選択肢が多い
ドバイは各学校で異なるカリキュラムを採用しており、UK(イギリス)・ US(アメリカ)・ IB(国際バカロレア)などが代表的になっている。 それ以外にも各国の方式のカリキュラムを採用した学校もあり、とにかく選択肢が多い。 他にもSTEM教育(科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)の頭文字を取ったもの)に力を入れている学校や、生物や植物を育てたりしながら創造性を育むことに力を入れている学校があったり、ユニークな学校が多い。
多国籍
人口の9割が外国人なので当然と言えば当然なのだが、学校には様々な国籍の人がいる。 今住んでいる家から直線距離で100mぐらいの場所にある学校の国籍数は80を超えているらしい。 学校によっては特定の国の生徒が多いこともあるが、多国籍な学校が多数派に見える。
うちの子供はまだ4歳なのでカリキュラムにはあまり興味はないが、多国籍な学校が良いなとは考えている。 小さいうちから異なる文化に触れられるのはやはり良い影響を与えると思う。
学校の格付けが公開されている
ドバイにはKHDAというドバイ政府の教育品質保証および規制機関があり、ここが各学校のランク付けを行っている。 このKHDAは教育機関の評価と認定を行い、教育の質を確保している。 ランク分けはOutstanding>Very Good>Good>Acceptable>Weakの五段階になっていて、Webサイトから誰でも見られるようになっている。
さらに学費もこのランク分けによって上限が決められる。 高い評価を得られればより高い学費を設定できる。 このランク分けも透明性のためにレポートが公開されていて、どの項目の評価が高いのか、低いのか、を見ることができる。
https://www.khda.gov.ae/DISB/AttachmentDownload.aspx?DOC_ID=ls1z7TEPd+w=
このランク分けは参考になるのだが、評価制度のハックを試みる学校もあるので(詳細は伏せる)参考程度にとどめ、実際に見学に行って判断するのがやはり良いと思う。
ビジネスライクな学校もある
生徒は大金を払って通ってきているお客様という扱いをする学校もあるらしい。 自分の子供はまだ学校に行っていないので友人に聞いた話だが、生徒同士が問題を起こしても大事になるのを恐れて親に話さないことがあるらしい。 子供がカッとなってパソコンを壊したりしても特に怒られないというケースもあったとのこと。 これは学校内で問題が起きたことが分かるとKHDAのランク分けに影響してしまうので、評価制度が悪い方向に働いている側面がある気はする。
とはいえ日本でも学校によるいじめの隠蔽など度々ニュースになるので、どこの国でも同じという話かもしれない。
ベビーシッターを雇うのが一般的
こちらではナニーと呼ばれているが、子供の世話を見る人を雇う家庭が多い。 そう聞くと富豪のように聞こえるかもしれないが、フルタイムでも月給15~20万円出せば雇えてしまう。 夫婦が共働きすることでそれ以上稼げるのであれば合理性から言えば選択肢になるし、所得税が0なのでその浮いたお金で払える人もいると思う。 子供の世話だけでなく掃除や料理などの家事もしてくれるため、可処分時間の増加を考えれば正直かなり得だとは思う。
我が家でもナニーを検討したが、子供と過ごせる時間は長くないので、その貴重な時間を他人に任せるよりは自分で育てたいと思い見送った。 子供と遊ぶのは楽しいがやはり大変でもあるので、たまにナニーの選択肢が再度頭をよぎることもある。 なので他の家庭の選択に関しては何も意見はない。
ナニー任せになってしまう
ナニーが子供の身の回りのことを何でもやってくれるため、子供はあまり自分でやらないようになる。 例えば学校の水泳の授業で水着を忘れた子供は「ナニーが入れるの忘れた」などと言うらしい。
また、友人が子供の友人宅で溢れた牛乳を拭こうとしたところ、その家の子供から「それはナニーの仕事だよ」と言われたらしい。 日本でも格差はあると思うが、ドバイではより格差社会を感じる機会がある。
現地の子供達はその後もずっとナニーがいる人生なのでそれで良いかもしれないが、我々のように将来的に日本に帰る場合はそうもいかない。 やはり自分のことは自分で出来るように育てたい。 しかし学校で周りがそのようにナニーに任せているのを見ると、うちの子供も「自分だけ何で?」となることは想像に難くない(し実際そういう話を聞いた)ので、教育的にはややネガティブな側面はある。とはいえ親がきちんと伝えれば大丈夫だろうとも思うので杞憂かもしれない。
自動車関連
車移動が多い
ダウンタウンや観光客の行く海沿いは電車やモノレールもあるが、中心部から車で20分ぐらい離れた住宅エリアだと公共交通機関はあまりないため、車での移動が必要になる。
自動車税がない
高速道路が多い
コミュニティ間は高速道路で繋がっているので距離にすると遠くても意外と早く着いたりする。
道が難しい
8車線のうち右から3番目しか目的地にはたどり着けない、のような複雑なルートが存在する。 さらに高速道路なので一度道を間違えると10~15分タイムロスしてしまう。 道は分かっていてもあと500m以内に4つ右の車線に行かなければならないのに、交通量が多くて誰も入れてくれず目的の方向へ行けないこともある。 初めて行く場所はカーナビの時間通りにつかない可能性を考慮する方が良い。
Google Mapだと目的地の場所にたどり着くのは難しいのでWazeという別のアプリを使うべき。 初めてドバイで運転したときはGoogle Mapを使ってしまい、20分の距離なのに1時間ぐらいかかった。
タクシー代が安い
東京だと1kmあたり400円程度のようだが、ドバイだと2 AED (約80円程度)なので安い。 もちろん初乗りや時間制運賃の場合などもあるので一概に比較はできないが、高速道路で30分乗っても4000円程度なので東京より安く済む場合は多いと思う。
運転は荒い
上述したように高速道路ばかりなので、100km/hや120km/h制限の道路を走る機会が多くなる。 そこを140kmぐらいで走る車が多いため、追い越し車線にいると煽られる。 まだ住んで一年なのに悪質な煽り運転を数回経験した。
以前別の国に住んでいたときは「ウインカーって教習所で習わないの?」と思うぐらいマリオカートのように車線変更を繰り返す車が散見されたので、その頃と比べるとウインカーを出す車は多く、そういった観点ではマナーは多少良い。 ただ4年住んで一度も煽りを受けたことはなかったので、煽り運転の観点でやはりドバイも運転は荒い。
久しぶりに日本に帰って運転したら、あまりにも全員マナーが良すぎて感動した。 みんな譲ってくれる。 日本でもマナーの悪い車はいると思うが、ドバイのほうが割合として確実に多い。
ドバイを楽しめそうな人
ドバイを勧めたりする内容ではないのだが、我が家は楽しんでいるためポジティブな内容が多めになった。 しかし日本人全員が楽しめるかというとそんなことはないと思う。
特に雑なことが許せないは向いていない。 日本ほどちゃんとしている国は少ないと思うので、そういう意味ではドバイに限らず海外全般が辛いかもしれない。 配達時間どころか配達日すら守られない、新築の家なのにドアがうまく閉まらない、3日以内に完了すると言われたのに2週間経っても終わらない、白の車を注文したら黒の車が届く、のようなことが日常的に起こる。 こういうのが耐えられない人は恐らく楽しめないと思う。 一方で自分のように適当な人間は、むしろ自分も適当で良いという免罪符を得たように感じられるので楽に生きられたりする。
インドア施設が沢山あるのでそれを楽しめる人は良いと思うが、アウトドア派は夏は外に出られないので辛いかもしれない。 太陽を浴びないと生きていけない人は夏の数ヶ月に耐えられない可能性がある。 ただドバイに住んでいる人は夏休みはだいたい避暑のために祖国に帰ったり海外旅行をするので、そういう手もあるとは思う。 自分のように一週間ぐらい引きこもってパソコンの前に座っていられる人は問題ない。
砂漠の上に作られているので基本的に全てが人工物で、自然が好きな人は違和感を覚えるかもしれない。 木は多く植えられているので緑はあるが、これも元からあるものではないので整いすぎていると感じることはある。 人工的な空間が気にならない人は楽しめる。
これはドバイに限らずだが、日本に住む家族や友人と頻繁に会いたい人も厳しい。 当たり前だが海外にいると会える機会は減る。 とはいえ年に何度も一時帰国する家族もいるので、移動時間や飛行機代を厭わないなら二拠点生活もできるとは思う。
また、日本食にこだわりがない人のほうが楽しめる。 ドバイは日本食が手に入りやすいとはいえ、何でも手に入るわけではない。 どうしてもあのメーカーのあの調味料が欲しい...などと言いだすと辛くなるかもしれない。 現地にある具材や調味料の中から良さそうなやつ適当に選べば良くない?、ぐらいの人は問題ない。
税金の優遇目当ての人も辛くなる可能性はある。 結局のところ自分が楽しめる場所に住むのが良い。 楽しいのに税金もなくてラッキーぐらいのほうがやっていけると思う。
近況
私事にはなるが、イスラエルから日本に避難したときに心配してくれた人も多かったので近況を少し書いておく。 3ヶ月の間に国を跨いだ引っ越しを2回したわけだが、あまりにやることが多い上に家を転々としたり不運が重なりすぎて自分の限界を超えてメンタルをやられた。 しかし1年経った今では貴重な経験だったなと思っているので、大抵のことは時間が解決するなと改めて感じた。
直接会った友人には話していたが、2023年12月にドバイに家族4人+1匹で引っ越した。 中東から中東に引っ越した日本人は珍しいのではないだろうか。 ユダヤ教の国からイスラム教の国への移動となると数えられるほどかもしれない。
引っ越しの過程で多くの人にお世話になったので少し書いておきたい。 イスラエルでは数え切れないほど多くの人達に助けてもらったので本当はその全てを書きたいが、恐らくそれだけで一つの記事になってしまうし今回の内容がブレるので一旦触れないでおく。 マスメディアやSNSは国際情勢に関して誤った情報や偏った情報を流すことが多いので、全てを鵜呑みにしないほうが良いということだけは言っておきたい。
まず2023年10月にイスラエルから日本に避難した。 自分は残りたかったが二人目の子供が生まれたばかりで、家族が不安になることは避けたかった。 空港に到着したときには多くの取材が来ていて、NHKニュースやYahoo!ニュースに載ったので図らずも全国的に帰国が公開された。 急遽最低限の荷物だけまとめて飛び出してきて疲弊していたので静かに帰国したかったのだが、連絡をくれた人も多かったので結果的には良かった。
東京は移動の疲れを取るために数日だけ滞在し、その後は妻の実家の熊本にお世話になった。 最初はAirbnbに泊まったり妻の祖母宅に泊まらせてもらったりしていたが、やはり家族4人が長く住み続けるのは難しかった。 そこで家がなくて困っているという話をしたら、宇城市役所の方が熊本地震の際に建てられた仮設住宅を使わせてくれた。 月数千円で使わせてくれて感謝しかないのに「無料じゃなくてすみません」と謝られた。 本来は手続きも時間がかかるはずなのに、緊急避難ということですぐに住まわせてくれたし宇城市には頭が上がらない。
幸い夫婦どちらも好きな場所で働ける仕事ではあったが、子供の保育園は必要だった。 そこで急遽近くの保育園に申し込んだのだが、一時預かりの扱いになってしまうので一日三千円程度かかってしまうと謝られた。 突然連れてきて受け入れてくれるだけでこの上なくありがたいのだが、園長先生が市の職員と話してくれて住民票を入れれば無料になるようにしてくれた。 宇城市には聖人しかいないのかなと思った。
イスラエルの家賃や保育園代も払い続けていて金銭的にもしんどかったし、先行きも不透明で精神的にもしんどかったので、本当に救われた。 仮設住宅に住み始めたが家具はなかったので、妻のお母さんの友人が要らない家具を提供してくれたエピソードなどもあるし、とにかく宇城市は聖人しかいない。
そのまま日本に住み続けるのも選択肢ではあったが、犬をイスラエルのドッグペンションに預けていたので自分だけでも早く戻りたかった。 しかしいつ戦争が落ち着くかわからなかったので、自分だけ戻ると妻や子供とは離れ離れになってしまう問題があった。
それとは別に日本で仕事をするのは難しいことも分かった。 自分の勤めている会社は日本人がおらず、ビデオ会議は基本的にアメリカやヨーロッパのタイムゾーンに合わせて行われる。 そうなると日本は夜中になってしまう。 一人暮らしのときは昼夜逆転していたのでそれでも良かったが、子供がいる状況では厳しい。
他にも色々理由はあるが、やはりヨーロッパタイムゾーン(GMT+4 ~ GMT-1ぐらい)に住むのが良いだろうと考え、その近辺ですぐにビザが取得できる国を探した。 最近だとノマドビザで1-2年間住める国もあるので選択肢は割と多かった。 色々比較した結果、ドバイが一番条件に合致することが分かった。 ドバイは一度旅行したことがあり、その時の楽しかった経験も後押しとなった。
ただドバイは住むところじゃないだろうという先入観があったのだが、ちゃんと調べてみたらイメージとかなり違ったので、勝手な想像で判断するのは良くない。 決めてからはすぐに動いた。 10月中旬に日本に避難してきて11月末にはドバイに移動したので、かなりのスピード感だった。
ドバイには11月末に一人で先に来て一週間でビザや家の契約などをして、それからすぐにイスラエルに行ってさらに一週間で家を引き払ったり犬を連れてきたりしていた。
ドバイに着いたら上に書いたように犬が行方不明になった上にロストバゲージが起こってスーツケースも失った。 その時の自分はとにかく犬を飛行機に乗せる手続きで頭が一杯で、機内持ち込みの荷物に少し分散しておくということまで頭が回らずスーツケースに着替えなど全て入れていたので一気に失った。 手ぶらでよく知らない中東の国に一人放り出された。 ちなみにそのわずか1ヶ月後に再度ロストバゲージしたのでトラブルに巻き込まれる才能がある。
そして空港の職員は平気で無責任なことをいうので、何度聞いても「もうすぐ出てくるから」と手荷物受取所で誰もいなくなっても待たされた。 到着は20時ぐらいだったが22時ぐらいまで手荷物受取所で待たされ、さすがに限界だったので職員に「もう荷物は諦める」と言って一緒に到着しているはずの犬を探し始めた。 荷物も到着していないし犬も到着していないのでは?と気が気ではなかったが、予想通り上に書いたように次々と嘘の場所へ案内され不安は増すばかりだった。
25時過ぎにようやくうちの犬がいるらしき場所に到着したが、ワクチン接種の証明書が不足しているから会わせられないと言われた。 そういうことにならないように動物輸送業者にお金を払って必要書類を過不足なく揃えてもらったにも関わらずこの有り様なので、メンタルが強くないと生きていけない。 既に4年以上そういう環境で生きてきた自分はそれでもめげず、頼むから何とかしてくれとしつこくお願いしたら夜中にも関わらず割増料金で獣医を呼んでくれた。 お金を払えば何とかなるところはさすがドバイ。 獣医は即座にその場でワクチン接種し、証明書を発行してくれた。 2万円以上も取られてうっ...となったが、解放された犬と再会できた喜びでそんな感情は吹き飛んだ。
いざタクシーに乗って宿泊先に向かおうとしたらドバイでは犬はタクシーに乗せられないと言われた。 事前調べが不足していた自分のミスだが既に26時ぐらいだったのでどうしようもなく途方に暮れた。 しかしパキスタンの人が「日本人だろ?パキスタンと日本は仲いいから助けてやるぜ」と助けてくれた。 そんな交友があったことすら知らなかった自分を恥じた。 ありがとうパキスタン。 それ以降、パキスタンのニュースを意識するようになった。
他にも妻が乳腺炎になって40度超えの熱で救急車で搬送されたり、妻のYouTubeチャンネルが突然停止されたり(Googleのミスだったが何度連絡しても取り合ってくれず、一ヶ月以上かかってようやく再開された)、ビザは3日以内に発行されると言われていたのに全然発行されず購入していた航空券の日程に間に合わなくなったり、Airbnbで泊まっていた宿で温水が出なくて問い合わせたら「Airbnbのページの設備一覧に温水は記載されていない」と回答されたり(これ以降、Airbnbを使う際には温水の有無を確認するようになった)、多くのトラブルが重なった。 しかしそれらを何とか乗り越え、1ヶ月後の2023年12月末にようやく家族全員がドバイに揃った。
心機一転新生活が始まったが、上述したようにその後も過去75年で最大の記録的大雨の被害を受けるなど、国を移動してもトラブルは続いた。
こういった経験があったので、日々起こる多少のトラブルは些事にしか感じず楽しめている。
まとめ
シャワートイレが素晴らしすぎる