knqyf263's blog

自分のためのメモとして残しておくためのブログ。

子育てと家族のキャリア

技術的なことばかり言ってたのに歳をとって急に子育てとか言い出す恒例のアレです。

子育てで勉強時間を取れず悩むソフトウェアエンジニアは多く御多分に洩れず自分もそうだったのですが、家族全体でキャリアを考えることで最近はそういった悩みも減ったので書いておきます。勉強時間を増やすためのハックとかではありませんし家族の性格にもよるので参考にはならないとは思いますが、こういう角度での記事をあまり見たことがなかったので一応残しておきます。

また書いている内容は我が家についてであって、他の家族がどうするべき、などの意見は一切含みません。

結論

最初に結論だけ書いておくと、妻が個人事業をすることでその事業の成長を見るのが楽しみになり、自分が家事育児に追われている間も妻が働ければ家族トータルでは成長できているなと思えて自分単体の成長では悩まなくなりました。

背景

現在イスラエルに住んでおり子供を1人育てているのですが、親は日本にいるため気軽に頼ることもできず夫婦2人で育てています。海外かつ日本人の少ない国ということもあり、日本とは勝手が違い普通に子育てするよりかなり多く時間を取られている実感があります。日本のように子育て便利グッズがなかったり、こちらで国民IDを持っていないので病院の予約も手間だったり、などなど。

そして他の多くのブログでも語られるように勉強時間が減り苦しむわけです。中には以下のような猛者もいるわけですが、超人の例を見ても仕方ないので一旦忘れます。

k0kubun.hatenablog.com

パートナーが専業主夫・主婦で全てやってくれる家庭もあるのかもしれませんが、一般的には子育てをどちらか一方が全面的に負担するのはかなり大変で、持続可能な子育てのためには夫婦で分担する必要があると考えています。何とか回っているように見えても「旦那が育児を全くやってくれない」などとSNS上で愚痴をこぼす人も散見されます。

うちの場合はお互い育児がやりたくないわけではなく、子供との時間は増やしたいと考えていました。子供の小さい時期というのは貴重で可能ならずっと遊んでいたいけれど、仕事もしないと生きていけないというジレンマです。もっと子供と遊ぶ時間が欲しい、でも仕事や勉強をする時間も欲しい、というよくある話です。

やったこと

上記の前提でやったことを書いていきます。

妻の職探し

イスラエルへの引っ越しにあたり妻は仕事を辞めることになったのですが、我が家では共働き必須だったので仕事を探すことにしました。理由としてはまず上に書いたように、我が家ではどちらかが家事育児を全て負担するのは難しそうだったという点。あとはそもそも妻が仕事をしたがっているという点。そして最後に経済的にお互い自立しておく方が関係性が悪化した時に別の道を歩む選択肢を取りやすいという点です。旦那が嫌になったものの経済的理由で離婚できない人などを見ることがあり、それはお互い辛そうなのでいつでも離れられるけど一緒にいるという関係を保つためにもお互い稼ぎがある方が個人的には良いと考えています。繰り返しになりますが、これはうちの家庭の話であって他の家庭がどうこうではありません。

短期的には自分が副業の時間を増やす方が実入りは多いのですが、長期的に見ると自分が怪我で働けなくなるリスクもありますし所得源泉を分散しておく方が良いと考えています。

ということで職探しをするのですが、旦那は雇われのサラリーマンで比較的安定しているので(現在は不況でレイオフが続いており実際には安定していないのですが当時は能天気だった)リスクを取れる仕事ができるという利点を活かしたらどうかという話になりました。正社員は決まった時間で働く必要があり大変ですが、個人事業主であれば裁量がありますし万が一当たればリターンは大きいです。その中でも色々と考えYouTubeを始めることにしました。収益化できるチャンネルですら上位10%しかいない狭き門ですが、妻は動画編集やサムネイル作成などが好きということもあって向いていそうだったのでとりあえず始めてみることにしました。

またイスラエルで当時妻は労働ビザを持っていなかったこともあり、収益がしばらくないのも好都合でした。条件を満たさないと収益化出来ないのでしばらくはタダ働きです。収益化できるぐらいチャンネルが伸びたら考えようということで問題を先送りにしていました。ちなみに今はこちらで労働ビザも手に入れて個人事業主を開業しています。

保育園の利用

これは家庭によって色々と考えがあると思いますが、うちでは1歳から保育園を利用することにしました。最初家で育ててみたところ、仕事も捗らず子供もテレビを見せるだけで遊んであげられない時間も多く、親子どちらにとっても中途半端になっていました。むしろ保育園に行っている間は全力で仕事をして、帰ってから全力で遊んであげるほうがメリハリついて良さそうということで保育園に通わせることを決めました。またせっかく海外にいるので異文化に触れたほうが子供の成長にも良さそうというのもあります。

そもそもイスラエルでは共働きが基本なので保育園やベビーシッターの利用が当たり前です。1歳未満でも保育園に入れる家庭が多いです。お互いキャリアがあるのでどちらかが専業するという考えはあまりないようです。女性にも必ず「仕事何してるの?」と聞きますし(専業主婦という考えがない)、銀行で自分の口座に紐付けて妻のクレジットカードを発行したいと言ったら「奥さんの給与用口座がないケースは少ないから特殊な設定が必要」と言われて驚きました。

保育園代は月20万円もするので生活は苦しくなりますが、こちらの保育園は朝食も出してくれて7:30-17:00まで見てくれるのでその点は良かったです(それでも高いですが)。金銭的には共働きで何とかカバーしつつ空いた時間の稼ぎが保育園代を上回れば良いなという楽観的な考えでした。

家事・育児の分担

妻の仕事はしばらく利益は出ないものの、うまくいけば場所時間を問わずリターンが得られる大きな可能性を秘めた仕事です。そういった仕事を頑張ってもらえるのは期待が持てて楽しいですしもっと多くの時間を使ってほしいと思ったので、家事・育児はなるべく均等に分担しました。最初は雰囲気で分担していたのですが、何となくお互い自分のほうがたくさんやっていると不平等を感じてしまいがちなのでルールを決めました。朝の犬の散歩する人と子供を保育園へ送る人は毎日交代する、一方が料理している間にもう一方が子供を風呂に入れる、などです。しばらく運用していたら自分のほうが料理の適性がありそうなので最近は自分が料理担当で固定されつつありますが、その分寝かしつけをやってもらったりなどやはり平等にやっています。在宅勤務だと昼夜作ったりするので週に12回ぐらいは料理してると思います。

気付いたこと

朝6時過ぎに起きても犬の散歩行って少し運動して朝食作って〜とやっているとあっという間に時間がなくなりますし、夜も子供迎えに行って夕飯作って寝かしつけて犬の散歩行って〜とやっていると一瞬で寝る時間になります。最初は寝かしつけの間にAudibleを活用したり色々と工夫してみたものの、無理に詰め込むより育児を楽しもうということでやめました。

そして自分で使える時間が減ったわけですが、妻のYouTubeが伸びていくのを見るのが楽しいことに気付きました。もちろんまだチャンネル登録者数1万人程度で自分が副業する方が大きく稼げる状態ではあるものの、毎日数値として成長が見えるのはわくわくします。ベンチマークとってパフォーマンス改善したり監視でメトリクスを見るのが好きな人には分かってもらえるんじゃないかと思います。サラリーマンとして必死に働いても昇給はたかが知れている中で、工夫次第で際限なく伸びていくビジネスを横で見ていると、自分ひとりの成長で悩んでいたのは視野が狭かったなと気付きました。今では妻はこちらの語学学校で働いたりもしていますが、これも将来自分で教室を開きたいのでカリキュラムを学びたいということで将来のビジネスのためにやっています。

このように家族全体での成長を考えるようになってからは自分の時間が減ることについて焦りを感じなくなり、むしろ積極的に子供の世話をするようになりました。自分が頑張ればその分パートナーの時間が増えるのでどう転んでも家族トータルではプラスになるという考えです。ただ最近では妻が朝子供を起こしに行くと親父を連れてこいと怒るぐらいになりましたし、二人で保育園に迎えに行っても自分の方に走ってくるので少し頑張りすぎた感もあります。昔はパソコンを触る時間をいかに長くするかという思考しか持ち合わせておらず、人を育てるということができるのか不安でしたが人間変わるものです。

お互いサラリーマンだとこうは行かなかったような気がしています。もちろん大きなプロジェクトを成功させたとか昇進したとか様々な節目はあるとは思いますが、短気な人間としては日々の成長が可視化されるのは大きいです。個人事業だと売上が毎月増えていくとかYouTubeだとチャンネル登録者数が増えていくとか、分かりやすいのが良いです。安定した給料が入るわけではないので売上が下がる月もあると思いますし当然大変ですが、片方がサラリーマンならそういうリスクも多少緩和されます。自分にある程度の稼ぎがあるおかげでしばらく無収入でも耐えられるというのが前提としてあることは理解していますが、個人事業をやる以上は初期に大小違えど痛みを伴うのは仕方ない気がしています。稼ぎのない時に毎月20万円を払うのは当然大変でした。

他に当たり前だけど改めて気付いたこととして、自営業だと休みを割と柔軟に取りやすく(お客さんありきの業種だとそうはいかなさそうですが)旅行に行きやすかったり、子供が風邪引いたときに家で面倒見たりできるというのもあります。

そして分野は違っても隣で頑張っている人を見ると刺激をもらえて良いのですが、そうすると今度は自分もやっぱり時間欲しいと思ったりしてその辺の若干の塩梅の悪さは今後の課題です。

まとめ

家族の形は様々なので他所についてどうこう言うつもりはなく、今のところ我が家はこの形でうまく回っているという話でした。今後やっぱり共働きサラリーマンこそ最高となるかもしれないですしまだまだ模索中です。

あと安定した時間の確保は難しいですが、短期的には睡眠を削って業務外で脆弱性の解析したりOSS作ったりとかはしてます。そして業務に必要な知識は業務中に身につけることにしているので2022年もKeyless Signingについて誰も読まないブログを書いたりWasm対応をガチャガチャやったりはできました。